「より良く生き人間らしく最期の時を迎える」ことへの支援

Ⅰ．初めに

　ドマーニ宇久井では、入居者の方に毎日を快適に楽しく過ごし、明日につながる今日を生きていただきたいと願っています。そして最期のときにおいても、平穏にその日を迎えられることをお手伝いしたいと考えております。

　終末期、苦痛から解放され人生の最期の瞬間までその人らしさを維持していくことはとても大切なことです。入居者の方が、その時をどこで過ごされるかはご本人にとって大きな問題かと思われます。そこで、ドマーニ宇久井において入居者（家族）の方が住み慣れた此処ドマーニで終焉を迎えることを希望され、ドマーニでの看取りが可能であると判断された場合、「より良く生き人間らしく最期の時を迎える」ことへの支援を実施するものとします。

Ⅱ．看取りについての指針

　１．看取り介護の基本

　　　　①近い将来死に至ることが予見され、最期を当施設で迎えたいという利用者様及び

　　　　　ご家族の希望があり、ご家族と施設のケアにて介護が可能と判断した場合に行わ

　　　　　れます。

　　　　②看取りの場は利用者様の居室にて行います。

　　　　③介護の主体はご家族にあり、施設職員は可能な限りのサポートを実施します。

　　　　④対象者の尊厳とご家族への精神的支援に配慮し実施します。

　　　　⑤亡くなられるまでの期間、その身体的・精神的苦痛をできるだけ緩和し日々の暮

　　　　　らしを充実して営めることを目的として支援します。

　２．実施にあたっての条件

　　　　施設での看取り介護とは、利用者様の常の生活の場で親しい人々に見守られ、自然

　　　な死を迎えるための支援です。利用者様が最期の時を住み慣れた居室で過ごされるに

　　　あたり看取り介護をされているご家族を施設職員が可能な限りのサポートを実施する

　　　ものです。そのため以下の条件が必須となります。

　　　　①主治医により利用者様が終末期であると判断されている。

　　　　②主治医が、施設にて終末を迎えることが可能であるとの判断がある。

　　　　③利用者の苦痛・疼痛が家族及び職員の介護にて緩和できる程度である。

　　　　④利用者様もしくは、家族が施設における介護体制を理解している。

　　　　⑤介護主体が家族であると理解していただけること。

　＊施設にて 常に状態の観察をすることは不可能であるため可能な限り家族等の付き添いが必要となる。

　＊医師・看護職員が常駐していないため、基本として医療行為、看護処置は実施されない。

　　　・医師の往診、訪問看護師・施設内非常勤看護師の対応は除く。

　　　・介護において困難な事態が生じた場合は、主治医と家族の判断に委ね対応を検討する。

　＊家族は常に施設と連絡がとれる体制であり、緊急（急変）時・重篤時は付き添いが可能であること。

　３．看取り介護の実施方法

　　　　①利用者様が、医師により終末期であると診断し自宅・施設での看取りが可能との

　　　　　判断がされた。

　　　　②ご家族が、入院治療を選択せず施設での終末看取り介護を希望する。

　　　　③施設にて 施設職員、介護支援専門員、生活相談員等が、利用者の終末ケアが施設

　　　　　にて可能かどうかの検討をする。

　　　　④検討し当施設での終末看取りケアが可能と判断された場合、利用者様（家族）に

　　　　「看取りに関する指針」を説明する。

　　　　⑤ 利用者様もしくは家族の同意後、「看取りに関する同意書」に署名をいただく。

　　　　⑥ 施設職員は、「※終末期の介護」にのっとり介護する。

　　　　⑦ 家族には、可能な限りの付き添いにて利用者様と一緒に過ごす時間を大切にして

　　　　　いただく。

　　　　⑧ 急変時、重篤時は、以下のように対応する。

　家族付き添い時は家族に一任。

　＊家族が利用者様と過ごす時間を大切にする。

　＊主治医連絡 救急車手配等のサポートを行う。

　家族不在の時

　＊命の危機を感じる場合は、家族に連絡し主治医連絡救急車手配等の確認をする。

　＊家族に連絡し早急に来所を依頼→家族の付き添いを開始。

　＊（家族不在にて）死を迎えられた場合、家族に連絡、主治医に来所のうえ死亡の確認をしていただく

　　　　⑨ その後は、医師の指示に従い対応する。

　　　　⑩ 施設からの搬送に際しては、業務に支障のない範囲で全ての職員で見送りを行う

Ⅲ．最後に

　上記の内、3．の項目は事業所内のマニュアルですが、「看取り」はご家族様と事業所が心を一つにして行う事だと考えますので、私共の取り組み方をよりご理解いただくために掲載しました。利用者様の終末期の状態においては、様々な不測の事態が生じることが予測されます。ドマーニ宇久井においての看取りは、「より良く生きる」ことの支援を目的とするものです。 お身体の状態により 対応が困難なことが生じた場合は、利用者様（家族）との話し合いのもと解決することに努力していくものとします。